top of page
  • 執筆者の写真: sazanamicare
    sazanamicare
  • 4月10日
  • 読了時間: 4分

昨年から作成に取り組んでいたパンフレットがついに完成しました。


これまで良い感じでお渡しできるものがなく、企業案内として胸を張ってお渡し出来るような物ができ、とても嬉しいです。表現したい事も多く表紙合わせて16 ページに。


私たちがパンフレット作成を考えた一番の理由として、過疎地域を取り巻く社会課題が挙げられます。2025年は団塊世代が全員後期高齢者となる年とされています。全国で後期高齢者人口の割合が高く、生産労働人口の割合の減少が言及されていますが鋸南町の状況はその意味で最先端を進んでいます。


ついに7000人を割った町民の50%が65歳以上、千葉県内でも二番目に高い水準の高齢化率となっています。令和4年度の町内出生数は15人とのこと。歪な人口構造が顕著になり、ますます未来を展望することが困難になってきています。


・・・・・


鋸南町で生まれ育ち、地元に戻ってきて地元の高齢者を支えることで商いをさせていただいている私に何が出来るだろうか。日々考えます。


田舎に暮らしているから、、、

高齢になった時に必要な支援が受けられない。必要なサービスが存在しない。自宅で暮らしたいのに施設に入るしか選択肢がない。病院もないし、商店もない。存在するが質は低い。介護保険料は都市部に比べると非常に高額である。交通の便は悪く、免許を返納すると外出もままならない。


そんな近い鬱々たる未来予想図になんとか抗おうと田舎の介護事業所はもがいています。


仕事に向き合う日々

一つ一つのケアの場面が私には眩しく映ります。ケアマネジャーとの相談により未来の展望が開ける場面、訪問介護員の自宅でのケアを通した日常の繋がり、デイサービスでの仲間との交流や感情の共有。


毎日、毎時、一隅を照らすようなケアの瞬間が連続します。そんな眩しい姿をなんとか可視化し、今、知らない人に知ってもらいたい。今、介護に携わっている人にはその尊さ、眩しさを正面から伝えたい。


次の時代の在宅介護を支えるため、共に取り組んでくれる若い人たちを増やしていきたい。先輩たちの眩しい姿を体感する時期を持ってほしい。



3月にはケアマネ事業所に3名の実習生がやってきました。3日間、居宅介護支援事業所の日常を体感してもらえる機会。さざなみには7名のケアマネジャーがおり、異なるバックグラウンドを持つ10名体制の三日間。双方に刺激を受けながら、良い時間を過ごさせてもらいました。


真剣にケアマネジメントに取り組む姿、毎日、毎時、小さな尊厳の話を自分一人でなく、みんなで喧喧諤諤と考え続け、トライアンドエラーを繰り返す姿。自分だけの価値観でなく、様々な意見を尊重しながらも自分なりの根拠を見つけ出していく姿。


他者を尊重すること、尊厳を守るとは果たしてどういう事か、自立支援とは、物事の本質はどこにあるのか、、、私たちが日々ぶち当たり、考え続けていることに、仲間として一緒にぶち当たって頂いた三日間。



さざなみのテーマ


その人の生きてきた「ものがたり」を支える



「その人」とは、、?


クライアント、だけではなく、、

クライアントの家族やそれを取り巻く地域の人々、だけでなく、、



私であり、あなた。

そしてその先の未来の誰か。


みんなでみんなの尊厳を守り合う社会を作りましょう。

みんながみんなの安全基地であれるように、誰かにとっての安心になれるように。

今、あなたの隣にいる人を大切に出来るように、その瞬間を連続できるように。


未来に私たちの尊厳を守ってくれる社会を残したい。

今の時代を生きる私たちにはその責任がある。


今、田舎の介護事業は窮地に立たされています。

人口動態だけが理由でなく、制度の問題も大きく感じられます。

声を上げること、実態を正しく伝えること、そんなことも今の私たちに必要とされています。


でも、、一番は質の良い仕事をして、それを心から楽しむこと。

介護の仕事ってかっこいい。そう感じてくれる次の世代を増やすこと。


そんなことがこのパンフレット作成で考えていたことでした。

これを必要としている誰かの心に何かが届くことを願って、少しずつ配布していきます。









  • 執筆者の写真: sazanamicare
    sazanamicare
  • 2024年12月27日
  • 読了時間: 4分

更新日:4月11日

さざなみは本日仕事納め。

在宅生活を支えるため、必要性に応じ、一部現場は動き続けますが、一応の締めくくりとなりました。


さざなみにとって2024年は大きな変革の年。


1月1日の事業承継に伴う代表者・法人名称の変更、就業環境をよくする為の様々な取り組み、4月には介護報酬改定のタイミングも重なり、抱える課題がそれぞれ大きく深く、フルスロットルで駆け抜けたような一年でした。ブログを書くところまで辿り着けず、久々の投稿となりました。


ロゴと理念を新たにし、スタッフみんなで共有した昨年の12月から丸一年。自分たちの仕事に背骨が通ったような、一番星をみんなで見つめるような、そんな場面が多くあったような気がしています。この一年も多くの出会いや別れを経験することとなりました。



私自身、新米経営者として一ヶ月目、2024年1月に大きな出会いがありました。少しだけ、お話しさせてください。


それは強烈な出会いで経営者としての自分、介護事業所としてのさざなみのあり方を強烈に引っ張り上げられるようなインパクトとなりました。



その人は私の5歳上、ケアマネジャーとして、介護経営者として働く傍ら、業界団体を創設、運営し、地方議員としても活動をした雲の上の人。5年ほど前に受けた研修で目から鱗の体験をし、ケアマネジャーとしての実務、事業所の運営に役立ててきました。


介護保険制度についての考え方もその人の影響を濃く受けています。「介護保険は介護を受ける人のため、介護の仕事をする人のため、法令を真の意味で正しく捉え、守るべき法令があるのであれば可能な限り簡単にクリアし、本当に価値のあることのために時間を使うべきだ。」


1年ほど前に病を得ていたことは聞いていましたが今年1月、「今年の桜は見れない」残された時間が限りなく少ないと知りました。





どれほど彼に影響を受けているか、感謝しているのか。業務の組み立て方や仕事の考え方、法令への向き合い方。事あるごとにスタッフに語っていたところ、「そんなに感謝しているのであればそれを伝えたらどうですか?」と。なるほど、、会を通じメールで感謝のメッセージを送りました。



「もし時間が作れるのであれば、自宅で本人に直接伝えてみてはいかがでしょう。その方が本人も喜びます。ただ、あまり時間がなく話ができるとしても今週か来週までと思います。」


???


面識はありません。オンランセミナーの講師と受講者の関係。

このタイミングのそれほど比重の高い時間を自分が貰っても良いものか…。


、、断る選択肢はありません。何かの縁で導かれたこと。1月25日、自宅に訪問。負担の少ないよう、感謝を伝え短い時間で退室しようと考えていました、、が、、結果的には2日間に渡り、計5時間の対話となりました。


経営者としての覚悟、地域の介護を担う一人として、リーダーとしてのあり方。


全然まだまだできる こんなもんじゃない もっともっと良くなる やるべきことをやり切ってないから行きたいところに辿り着いていないんだ 悩んだらとにかくシンプルに考えろ


彼の体は動きません。上半身の体勢を変えるには痛みに叫び声をあげ、介助を受けなければなりません。しかし初めましての瞬間から、私のこと、鋸南町のことを知っています。初対面の私にまっすぐ向き合おうと病床で準備をしてくれていました。


彼から託されたものは多く、ここでは伝えきれません。その時のことを彼も文章に残してくれていました。「人生でたった数時間の付き合いだったけど、時間が全てでないこともある。俺が人生で背中押せるのはお前が最後、お前がここに飛び込んできたんだ」、、、結局彼はその後も色々な人の背中を押し続け、桜もしっかりと楽しみ、2024年4月29日に逝去されました。


一燈照隅万燈照国(いっとうしょうぐうばんとうしょうこう)


彼のメッセージは我々を焚きつけ、それぞれの地域を良くするためのエネルギーとなります。


さざなみのスタッフにも12月の年次報告会でこの出会いについて話をさせていただきました。みんなに伝えようと思ったのはこの出会いなくしては今季達成したものには辿り着けなかったと考えているから。


そんな出会いを経て営まれたこの一年のさざなみのケア。

一人一人が日々照らしている、一つ一つの小さな暮らしの支援、共に過ごす営みの時間がとても眩しく、嬉しく感じています。


ロゴに表現された光を。

もし誰かの光が今、埃をかぶっていたとしても。こちらが希望を持って走るのでなく、目を凝らしその人の元々持っている光を見つめること、その感性によって希望の光が感知される。自分たちはそれをケアの第一歩としたい。


そんな話をした2024年の年末。


私は今生きています。 「動かないんなら変わってよ。」 彼にそう言われないよう、来年も気合を入れて走ろうと思います。そして本年の起こったことの全てに感謝します。皆様にとっても来年が良い年になりますよう、鋸南町の片隅から祈っています。














  • 執筆者の写真: sazanamicare
    sazanamicare
  • 2024年2月21日
  • 読了時間: 1分

更新日:2024年2月22日

さて、この度さざなみでは色々な取り組みと共に新たに企業理念を再定義しています。


パーパス・ミッション・ビジョン・バリューの形式をとり、令和の初めから策定に取り組み、ようやく完成に至りました。


私たちの日々を見つめ直した数年間。

何がどのように私たちを一つ所に集めているのか。私たちをつなぐ言葉、価値観はどのようなものか。大切にしている事、脈々と受け継がれているものは何なのか。逆説的には、私たちの日々から何を失いたくないのか。許せないことはどういうことか。


開業以来、諸先輩方が積み重ねた支援を紐解き、次の世代にバトンを渡し続けていくため、芯を食った言葉を何とか紡ぎだしたい、、、。




  そのひとの生きてきた「ものがたり」を支える 




ホームページにテーマとして掲げてきたこのキーワード。

組織風土を一言で表そうとした時にふと立ち上がってきた言葉です。

みんなの日々がにじみ出ていて、私たちが今、この時代背景のなか、背負うべき言葉として相応しいのではないかと(手前味噌ですが、、、)思っています。


法人名称の変更、ロゴデザインの策定と共に、今のさざなみを現した理念として、法人全体で旗を掲げ、「ケア」の視点での事業経営に邁進してまいります!





0470-55-2557

    ©2020 by ケアセンターさざなみ

    bottom of page