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  • 執筆者の写真sazanamicare

地域密着型通所介護における音楽療法の実践@南房総リハケア文化祭

2023年2月4日に鋸南町中央公民館にて南房総リハビリテーション・ケア文化祭が開催されました。今年は鋸南町開催とのことで私たちも参加させて頂きました。


朝、さざなみの職員や職員の子供たちも参加しているフラダンスチームがオープニングイベントを担当。はじめにキッズのフラダンスをウクレレの伴奏付きで行い、次はシニアチームによる圧巻のフラダンス。お客さんも予想以上に多くいらっしゃり、盛り上がりのあるオープニングとなりました。


ちぎり絵コンテストにも参加。デイサービス二ヶ所で一生懸命作った大きな千切り絵を展示、見学者の方は気に入った作品に投票され、こちらも楽しい催しとなりました。


そして、気合を入れて参加させていただいた日々の活動のポスター発表。ブログタイトルにもある音楽療法について紹介をさせて頂きました。


さざなみには音楽療法士が在籍しています。音楽大学で音楽療法を学んだ上でそれを高齢者のケアに活かしたいとの強い思いのもと、2020年12月から参加してくれています。


多くの地域のケアに携わる方、リハビリを行うセラピストなど多種多様なオーディエンスが見守る中、日々の音楽療法の実践についてデイサービスの管理者と音楽療法士の2名で発表させて頂きました。


発表の場はとても空気感がよく、私自身、ケアに携わるものとして、そこにいらっしゃったオーディエンスの発表を聴く姿、良いものを取り入れようという前向きな姿勢や集中力に驚きました。発表者と同じような熱量でケアを探求する姿がありありと感じられ、とても嬉しく、頼もしく感じました。


発表後には、多くの方から質問やご意見があり、「出張はできるか?」「是非研修に行かせてほしい!」などなどとても嬉しいお声掛けをいただきました。想像以上に皆さんに興味を持って頂き、リハビリテーションの一つの可能性として良い提案ができたと感じています。


その他の発表や公演も学びが多く、とても良い機会となりました。自分たちの日々の実践に誇りを持ち、新たな視点の意見も飲み込みながら未来に進んでいきたいと思います!


以下に抄録としてパンフレット用に提出させていただいた文章を掲載させて頂きます。




「地域密着型通所介護における音楽療法の実践」


ケアセンターさざなみは「居宅介護支援」「訪問介護」「通所介護」「地域密着型通所介護」の4類型の居宅サービスを提供しており、地域密着型通所介護においては機能訓練の一環として『音楽療法』を取り入れている。


ケアセンターさざなみは鋸南町にある勝山海岸沿いに位置しており、元々海の家だった建物を改装しデイサービスとしている。窓一面に海岸の風景が広がり、季節毎に様々な景色を感じる事ができる。窓を開けると海の風が通り抜け、利用者は懐かしい海辺の雰囲気と共に1日を過ごされている。


音楽療法への取り組み


音楽療法士の介在により、認知機能に働きかける。

当然ながらデイサービスにはさまざまな状態の利用者が訪れ、認知症を患っている方、認知機能は保たれているがADLが低下している方、介護予防のために訪れる方、さまざまな年齢層の職員。状態で区分する事なく、それぞれが支え合い共に1日を過ごされる。


音楽療法のアプローチは様々で、歌を歌うことや歌と連動した体操、ハンドベルや竹太鼓を他者とタイミングを合わせ演奏していくことを通し、自ら音を鳴らし、五感が刺激され、身体の奥底までを震わせていく。


利用者の青春時代の流行歌をピアノの演奏に合わせて歌い、その歌や時代にまつわる話をする。利用者の記憶に働きかけ、記憶の発露を誘導する。そしてまた歌う。その繰り返しにより、利用者の声は大きくはっきりとしてくる。その時、特に印象的に感じられるのは認知症を患う方。表情や体のアクションは熱を帯び、歌や音楽の世界、自分の記憶の中の確かに存在した世界に身を委ねる。歌の合間のエピソードトークに思いもかけない方からの「人生の物語」が聞かれ、良い時間の共有が創出される。


ある方は年季の入った弦楽器を自宅から携え、音楽療法士との週一回のセッションに臨む。頭の中にコードが刻み込まれ、演奏を通し、徐々に音が強くはっきりとし、弾きたい曲目のリクエストを記憶の中の引き出しから取り出す。特等席で聞き惚れる利用者、セッションを取り囲み体操や創作活動が行われ、時間が流れていく。


音楽は人の心や体を癒し、震わせ、意欲を引き出す。得意な方も得意でない方も自分のできる参加の方法で発声し、音を奏でる。週に1~数回の通所を通し、音楽療法を用いて生活意欲を引き出す事に取り組む。




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